journal

homejournal

わたしはここで “ ぬくもり ” を観た

戦争の跡がのこり

自然が、歴史が、感情がむきだしなこの場所で

わたしは “ ぬくもり ” を観た

 

TANGA
Battery ruins
Night museum

 

あなたはここで、何を観るだろうか。

 

 

 

 

大分県佐伯市内からさらに海沿いをなぞるように進んだ先に、鶴見半島「丹賀砲台園地」があります。目の前には海、後ろには山、寒さを覚悟して防寒万全の状態でしたが、この日はとてもあたたかく晴天。良き日でした。

 

夜にさしかかる17:30ごろには、すでにたくさんの人がいました。こどもから、お年よりから、わんちゃんまで。

 

 

 

 

すてきな空間まで連れていってくれるのは、ケーブルカー 伊吹。

この名前は戦争当時つかわれていた巡洋艦「伊吹」からきたものです。

 

するどい傾斜をなんなくのぼりおりするだけではなく、展示会場までのわくわくを、さらに!ふくらませてくれる。(伊吹の姿を撮り忘れました、おたのしみに)

階段でのぼりおりもできます。伊吹とどちらがはやいか競いたい方は挑戦してみてください。私は1回階段をおりただけで伊吹のありがたさを思い知りました。

 

ケーブルカーからおりると、そこはあたたかな光につつまれていました。

 

 

 

 

 

本当にここが「悲劇の要塞」とよばれる場所なのか、弾薬がつまれ、たくさんの人が亡くなった場所なのかと、そう思うほどでした。

 

 

 

 

 

いくつか分けられた空間にはアーティストさんの作品が展示されていました。

アーティストさんの様々な視点、感情、表現による鶴見のすがた。美しいとか、圧倒とか、なにを思ったんだろう、なにが観えたんだろう、様々な感情がうまれます。

 

 

 

 

作品を観ていくと、崩れた足場やなにか大きな筒状のものがあったとおもわれる空洞があり、あたたかな光の中に、たしかに〈あったんだ〉と感じました。

 

言葉はでなくても、自然と足はすすんでいきます。

 

 

 

 

受付から正面奥に進むと見上げる螺旋階段。ほのかなひかりが無数にゆらめいていました。ここでは、受付でもらった蝋燭ライトや、流木、石をそっとおいていきます。はなむけの贈りものです。一緒にNight museumをつくっているようでした。

 

 

 

 

螺旋階段をのぼり外にでると、鶴見の方がつくるおいしいケーキやサンド、あたたかい飲み物を手に、人の顔がうっすら見える小さな灯りのそばで、たくさんの人が談笑しています。

 

おじいちゃんおばあちゃんの笑い声、すげー!とおどろくこどもたち、真剣な眼差しの若者、すごくよかった!と言いながらさっていくお母さん。

 

知ってほしい、訪れてほしい、感じてほしいと願う人たちの気持ちや頑張り、なにかを観た人たちのあたたかな表情と言葉。鶴見という場所がそうさせているんだと、ぬくもりを観た夜でした。

 

 

 

このNight museumが終わりまたここを訪れたとき、なにが観えるのか分かりません。

その時にしか観えないものがあると思います。

 

だからこそ、ここに訪れるたびに問いかけるべきなのだと思います。

 

あなたはここで、何を観るだろうか。

 

 

 


 

 

 

Night museumは11月27日まで開催しています!

25日(土)はyookorususakuraiさんによるアートパフォーマンスがあります!

弾薬庫跡という文字だけでは物々しさを感じる場所です。写真撮ったけどヘタすぎて良さを1%も伝えられない気がするので、ぜひ足をはこんで実際に観て全身で感じてください。

 

 

—————

TANGA Battery ruins Night museum

場所:丹賀砲台園地

大分県佐伯市鶴見大字丹賀浦577

 

20231123日(木・祝)– 1127日(月)

開場16:00 閉場21:00

入場料:800 / 高校生以下無料

 

TANGA Night Museum は佐伯市鶴見半島の戦争遺構を展示の場とした、これまでにないアート展示会です。

最新情報は:https://www.instagram.com/reframe_tsurumipeninsula/

—————

 

 

記事:方志